失敗しない転職活動の進め方 転職を成功につなげるポートフォリオの作り方

ポートフォリオとは?

「ポートフォリオ(Portfolio)」とは、自分のスキルや実績をアピールする際に使用する作品集のこと。デザイナーやクリエイターの就職・転職活動において非常に重要な役割を持つ書類で、履歴書や職務経歴書とともに提出を求められます。

もともとは「書類入れ」「折カバン」などの意味を持つ英語で、金融用語や教育用語としても使用されています。


・金融用語におけるポートフォリオ…株式や証券、預貯金など、自分が運用している資産が、どのようなもので構成されているかをあらわすもの。
・教育用語におけるポートフォリオ…学生のレポートやテストなどを個別にファイリングして保存し、評価する方法。


デザイナーやクリエイターにとってのポートフォリオは、自分のセンスやスキルをアピールするための必須書類です。就職・転職の際は、履歴書や職務経歴書と同様にしっかり準備をしておきましょう。

ポートフォリオに記載すると良い内容

ポートフォリオには、次のような内容をまとめるのが望ましいといわれています。

・自己紹介
氏名や生年月日、職種、使用言語やツール、スキルレベルなどを記載して、自分がどんな人なのかを伝えましょう。顔写真をつけるのもおすすめです。転職で使用するポートフォリオでは、クリエイターとして自分がどのような点にこだわっているのか、どんな信念を持っているのかなども添えてみてください。人柄が、より伝わりやすくなるはずです。

・受賞歴や実績
主観的なものだけでなく、客観的な評価もわかるよう、受賞歴を記載します。同時に、これまでどんなポジションでどんな業務を担当してきたのかなど、具体的に記載しておくとよいでしょう。

・使用可能ソフト
業務で使用しているソフトはもちろん、独学で使用できるようになったものがあれば記載しましょう。対応可能な言語があれば、それも記載しておくとプラス評価につながる場合があります。

・作品と作品ごとのディスクリプション
自分の作品を掲載するとともに、その作品のディスクリプション(説明文)を記載します。採用担当者の負担にならないよう、ポートフォリオに掲載する作品数は10~20点が基本です。どうしても絞り切れない場合は、作品数が多くなった理由を“自己紹介”欄に記載しておくようにしましょう。

また、ディスクリプションには次の項目の中から自分の職種にふさわしいものを選んで記載してください。

・作品タイトルもしくはURL
・写真やスクリーンショットなど、作品のビジュアル
・制作年月日
・制作時間
・制作環境(使用ソフトや言語など)
・クライアント名
・ターゲットユーザー
・制作目的やクライアントの意向
・担当領域とポジション

特に、「担当領域とポジション」を気にする企業は多いです。ポートフォリオが自分の作品をただ並べただけのものにならないよう、制作物のどこを担当したのか、どのような立場でどのように仕事を進めてきたのかは、できるだけしっかり説明するようにしましょう。

・仕事のスタイル
自分の得意な製作スタイルや仕事の進め方などを記載してください。

・ビジョン
デザイナーやクリエイターとして、自分がこれからどのような方向性を目指したいのか、どのような目標があるのかなどを記載します。「御社でなら目指したいビジョンに向かえるんです!」ということが伝わる内容になっていると良いでしょう。

ポートフォリオ作成時に気をつけること

ポートフォリオを作成する際は、次の点に気をつけましょう。

・著作権や守秘義務に触れていないか
機密事項を公開したり、業務上知り得た情報をむやみに口外したりしないよう、勤めていた企業とクライアント間で機密(秘密)保持契約などを締結しているのが一般的。デザインを納品した時点で著作権がクライアントへ移る場合もあります。そのため、自分が手掛けたデザインであっても自分の作品として口外できない可能性があることは知っておきましょう。

とはいえ、ある程度は許容されている部分もあり、自分が手掛けた作品をポートフォリオに載せたからといって、すぐに「機密漏洩」となるケースは少ないです。

自分がどのような作品をどのようなポジション、過程で制作したのか伝えるために必要な場合は、守秘義務違反にならないことを前提にしつつ、外部に漏れることがないよう管理したうえでポートフォリオに作品を掲載するようにしましょう。

・提出先にあわせて作り変える
求人に応募する際に提出するポートフォリオは、自分が企業のニーズにマッチした人材であることをアピールできるものでなければなりません。定型フォーマットは持ちつつも、企業が求める人物像にあわせて、ポートフォリオは作り変えるのがおすすめ。自分の作風を把握してもらえるよう、バラエティに富んだ作品をピックアップするのも良いでしょう。

また、Web系クリエイターでも、面接時に持ち込みやすいようWebサイトだけでなく紙のポートフォリオも用意しておくと安心です。

まとめ

ポートフォリオは、クリエイターが自分のスキルや実績をアピールするために重要なものです。転職活動で使用する際は、応募先企業に合わせて作り変えるようにしましょう。

ポートフォリオに掲載する作品は、採用担当者の見やすさを考慮しつつ、バラエティに富んだ作品を10~20点ほどピックアップするのがおすすめです。

ポートフォリオ作成のポイントをおさえて、転職を成功させましょう!